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10月は、神無月です。

荻野さんのお母さん
お勝手を守ってくれる火の神、荒神様も出雲へ旅するそうです。オギノエン・ファームでは、30日、旅する神様のために上新粉でお団子を作り、神棚にお供えします。そんなお年寄りの話を聞きながら、日が暮れ畑から上がってきた私たちは、お茶を飲み、秋の実りをいただきながら、みんなで寛ぎます。鍬を固く握っていた手、踏ん張っていた足腰が、体の中から緩んでいくように感じました。

神様?何それと不断信心を欠いている私も、大人しく話を聞いていました。一株ずつ土を返し、サツマイモを掘り、根に着いた土を優しく払う。農家の等身大の生活に触れていると、人は不思議な寛容を身につけるようです。神のある暮らしも悪くないかな、と。

人は、様々な理由から自分たちの思い通りにならない事にぶつかり、身を引き譲りながらも、何とか目的を遂げようと工夫を凝らします。神々が身近に在るという感覚は、自らを過信し災いを招くことへの戒めであり、異物や困難な状況を受け入れることで私たち自身を豊かにしていく智恵なのかもしれません。

帰りに大地の恵みを少しばかり、その日の働きを労うものとして分けていただきました。
秋の実り_20121031
生姜は、スライスし、三杯酢で漬ける予定です。
里芋は、けんちん汁か煮っころがしにしようと思っています。
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気仙沼に行ってきました。
最初に訪れてから1年半。6回目の訪問です。

今回の目的は、2つありました。託児所“キッズROOMおひさま”(http://ameblo.jp/megfinn)と南町の子供ひろば“cadocco” (https://www.facebook.com/cadocco)で、“Happy Cap Project指編み帽子の会”(http://chikara.p1.bindsite.jp/happy_cap_project.html)との共同企画、毛糸の指編みマフラー作りワークショップを行うことが一つ。子供ひろば“cadocco”ではもう一つのワークショップ、子供たちに画を描いてもらい、その画をアニメーション作家がその場でアニメーションにし、出来上がった作品を時間を置かず皆で観るという、子供と大人、アマとプロが、創造的時間をシェアする試みを実施することでした。
おひさま2 毛糸玉で顔かくし2

先生 子供とちからさん  
指編みは多くの方に楽しんでいただきましたが、習い作るだけでなく、おひさまでは親同士や先生方との親密な交流の場となりましたし、cadoccoでは見知らぬママさんたちの出会いの場となりました。
カドッコ ママ友

子供たち3 みんな これかな      
無垢な創造とアニメーターの手を加えた二次創造をその場でシェアする試みは、私の準備不足により、残念ながら参加者が無く成果を得ることが出来ませんでした。車で東京に戻る途中、夜中に4時間、東北道の佐野SAで反省会を行う羽目になり、ヘロヘロになって家に戻りました。次は、結果を出します。

cadoccoでワークショップを開催する時には、手作りのタウン情報誌“ふれあい交差点”での告知をお願いしています。藤田ご夫妻が発行している、地元の必需品です。ご夫妻にお会いして、お話を伺いました。

有事には、情報は届きません。被災から1週間後、手書きで“ふれあい交差点”の発行を再開し、その後3か月間は毎日、避難所の状況や安否確認のための情報を掲載したそうです。これによって、自分たちのことで頭が一杯で、隣近所でも連絡が取れていない全くの孤立状態にあった人々に情報が届くようになり、人と人が結ばれ、物々交換も為されるようになったと聞きました。

“ふれあい交差点”を読まれた方々から「安心」を得たと言われたそうです。ネットの台頭で廃れ行くとばかり思われている紙媒体ですが、紙の手触り、サラザラパラパラといった音、インクの匂い、そうしたどこか懐かしい五感への刺激が、みなさんに「安心」をもたらしたのかもしれません。日々接してきた藤田さんの情報という確実性への「信頼」や「元気」なご夫妻の笑顔も大きな力になったようです。

“ふれあい交差点”は、無機質の情報を紙という素材に載せて伝達することで、人々に「安心」を届ける暖かな便りとなっているのですね。
 ふれあい交差点 創刊号2 
アートや情報が、人と人との出会いを生み、ふれあいを育む可能性を肌で感じた2日間でした。

よき同伴者。旅先での素敵な出会い。実り豊かな会話。抱えることが出来ないほどの収穫。
一泊二日、行き帰りは徹夜のドライブと強行軍でしたが、充実した時を過ごしてきました。
14日の日曜日、オギノエン・ファームはピザ屋さんになりました。

注文が多いと言っても山猫軒とは違って危険はありませんが、座っていてもピザは出てきません。自ら作り、自ら焼く。手作りピザのレストランです。

農園で収穫した小麦を挽き、手作りの釜に薪をくべ、準備を整えます。
粉ひき 粉ひき4 煙もうもう      
小麦を捏ね、生地を作り、畑から運んできた旬の野菜と手作りベーコンを用意して、食べたい人自ら具を選び、盛り付け、思い思いのピザを作ります。そして、煙モクモクの手作り釜に入れて焼き、食します。
生地2 野菜 ピザ
茄子・トマト・玉葱・ジャガイモ・ピーマン・かぼちゃ。大地の恵が、みんなでワイワイ楽しく調理しているうちに、豊かな味わいとなっていくのです。

もう一つの生地作り 2 野郎ども2 生地作り4

野菜を切る ピザ釜入れ前3 ピザ作り

ピザを釜へ3 食事風景 ピザをガブリ   
食材を目で楽しみ、刻み、盛り付け、焼き、そしてアツアツのピザをガブリとやる。実にうまい!

美味しさは、ナポリの名店でピザを食べる時に感じるものとは限らないようです。
教わり習うワークショップが、いつの間にか素敵なレストランになっていました。
昨日は、雨。昼時の気温が、15℃。午後雨は上がりましたが、肌寒い一日でした。

雨の日は雨の日の仕事があると荻野さんが言っていたので、今日はどんな仕事があるのだろうと楽しみにオギノエン・ファームを訪れました。与えられた仕事は、ぼかし(米糠と菜種油を混ぜ発酵させた有機肥料)をふるいに掛け、袋に詰める作業でした。

ぼかしの塊の山にスコップを突っ込み、ふるいに移し、ローラーの上で前後に揺すり、粉状にしていきます。何度も何度も繰り返しているとぼかしの粉が山になるで、これを袋に詰めます。ちょっと寒いな。上着が欲しいと思いながら作業を進めているうちに、汗が出るほど体は熱くなりました。

ローラーにふるいを載せ、ぼかしの塊をふるっていると、粉の山が出来ます
ふるいを載せるローラー ふるったぼかしの山
成果物。ぼかしの粉15袋
ふるったぼかしを詰めた袋

作業をしていると、何かが落ちる音がしました。
カサッと、土を柔らかく叩く音。作業場の前の栗の木から、栗が落ちたのです。
栗の木 落ちた栗 2   
その瞬間、「ああ、秋なんだ」と体が感じました。

季節感とは、本来、五感でダイレクトに感じる自然と一体になる感覚で、店頭に並んでいる栗を見て、買って味わうものではないのだな、と思いました。