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今日は、宮路さんの命日。亡くなって、2年経ちました。

タイから一時帰国している岡部さんと会い、食事をしながら話をしました。「ゲームは消耗品」という宮路さんの発想は、岡部さんのゲーム理解でもあったとのこと。成程と思ったその時「小説も消耗品だよね」と言われ「えっ」と声を上げてしまいました。

確かに小説は娯楽でもあるので、その意味で一時を楽しく過ごすための暇つぶしと言えるでしょうが、それは一側面であり、本質は人と人々の普遍を捉え、恥部を抉り臓物を鼻先に突き出す、努力なくしては対峙しえない言葉の迷宮だと理解しているので、不意を突かれ狼狽しました。

やっぱり、分かっていない。
宮路さんともっと話をするべきだった、と今更ながら思います。

私にとっては永遠の謎となってしまった、宮路さん。今日はたくさんの人から声を掛けられ忙しいでしょうが、手すきになったらビールを一杯付き合ってください。美味しい練馬の地ビールと、私が週末通っている農園のジャガイモとインゲンを調理したつまみを用意しました。
大皿 186×120 金子ゴールデン 100×120 取分 186×120 これ
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オギノエン・ファームに通い始めて、1年になります。

この日曜日、私をこの農園に導いてくれた、里山を保全している人たちがやって来て、一緒に茶畑の草取りをしました。作業を始めるころは、全く着地が見えなかったのですが、20本近い数の手を終日動かすと、陽が傾くころには、一区画、草がきれいに取り除かれていました。

有機農業は手数だな、と実感しました。

昨日、TPP交渉に日本が参加しました。様々なことが言われていますが、私は、皆で草を取り、土地を耕せばいい、と思っています。毎日職場を抜けて畑に出ることは出来ませんし、元より都会人に出来ることは高が知れています。一人が多くを背負おうとすれば先は見えていますが、大勢が少しずつを出し合うことで力と為し、無理をせずに継続することで状況を変えられると考えています。

一人一人の不定期農業を、束ねて、農家と同質の生産作業まで高める仕組みを作る。私のミッションです。

ところで、畑は植物の育つところです。実の生っているところばかりに気を取られていましたが、当然、花が咲きます。それも自己主張を抑えた、清楚な気品ある花が。
きゅうりの黄色い花 256×199
              きゅうり
胡麻の花 256×199
               胡麻 
ピーマンの白い花 256×199 2
              ピーマン
友より、焼き上がったばかりのコーヒーカップが届きました。

加齢は創作意欲を奪うと50になった頃に言っていましたが、届いたものは「彩何」という新しい技法による楽しいデザイン。作家のいのちは常にチャレンジすることなのだ、と友の制作風景を思い浮かべながら、心より器を楽しみました。
新作コーヒーカップ 幾何学模様○有 こっち 新作コーヒーカップ 豆模様 大写し 新作コーヒーカップ 幾何学模様
同じ日に、ひたすら酒を飲み続け、飲むことが生きることだった時、私に付き合い貴重な時間を無駄にした、飲んべの友より暑中見舞いが届きました。義父に戒名をつけてくれた、お坊さんです。

当時、寺=家という彼にとって絶対的な存在(お坊さんになり父の後を継がなければ、檀家の持ち物である寺から親を含め家族を連れて出て行かなければならない、土地としきたりに縛られた身分にわが友は生まれました)に必死で抵抗していた反逆者が、“次期住職の今”と題して同封された寺報にこんなことを書いていました。

「長男は音大の4年生になりました・・・『寺の息子が音楽なんて』と思いました・・・門外漢の私にはどんな勉強をしているのかは、全く訳が分かりませんでした『脛を齧られておしまいか』・・・『????』の連続でした」

  せみの子をとらへむとして 熱き夏の砂地をふみし子は
  けふ いづこにありや

では、私はどうなんだろう。

暑き夏、ぼんやりと泡盛を飲みながら、しいいと鳴く蝉の声を聞いていました。

カップと一緒に送ってもらった、窯で焼くたびに違った発色になるという、顔料を浸透させる技法で作られた杯
肉じゃが 杯 顔料を浸透させる技法 まずまずバランス 煮豆2
篠田らしい柔らかな色合い。友の顔を思い浮かべながら、杯を傾ける。やはり酒か。しかし至福
山一證券で同期入社だった友人が、オギノエン・ファームにやって来ました。

一緒に、里芋畑の草取りをしました。こんな日が来るなど思いもしませんでしたが、思いもしないことが起こる。想定外に遭遇することが、生きているということなのでしょう。そうして、想定外を楽しむことが、生きていることの意味ではないかと思っています。
草取り前 永田も草取り 草取り後
彼がデスクに座って偉そうに仕事をしていた姿を思い浮かべながら、一つまた一つとやがて山羊の餌となる雑草を抜いていきました。
     
昔、仕事を取ろうと足しげく通った、ある企業の担当者から「お前たちは、空港で直ぐ分る。目つきが悪いから」と言われたことがありました。帰り道、私もいただいたその企業のロゴ入りバックを持っている人を空港で見て、成程と思ったことを懐かしく思います。金のことした頭にない、血走った眼付の悪党二人が、炎天下、所沢の畑で草取りをする。世の中が変わったのか、私たちが変わったのか。

人が変わるかどうかは、私には分かりません。ただ、生きることが環境に適応することだとすれば、少なくとも生活は変えていかなくてはなりません。

変化の時代。

これから何が起きるのだろう。とても、楽しみです。
いつものようにオギノエン・ファームに行き、いつもと違い穴を掘り、コンクリを叩き壊しました。

農園のご主人荻野さんは、体を動かし、汗を流し、知恵を絞る、人本来の生きる力と喜びを体感する日常を放棄し、利便性を全てに優先させる今日の私たちの生き方に疑問を持ち、農園という体験の場を人々が集うコミュニティにしようと、様々な活動をされています。

その一つが、農園カフェ。
只今、準備中です。

その準備の一環で、今日、飼料サイトを撤去しました。
飼料サイト 飼料サイトのピラーを掘る 飼料サイトを倒す    
コンクリを打って土中に埋めた3本の支柱を掘り起こし、ロープでバランスを取りながら倒し、2トン車に載せ移動させました。
青い柿の実
作業の途中、疲れてヘロヘロになって座り込んだ時ふと見上げると、青い柿の実が風に揺れていました。何故だか分からないけれど、嬉しかった。

訪ねる度に、驚きや楽しさがあるオギノエン・ファーム。皆さんも一度、行ってみてください。笑顔と饒舌とちょっとした驚きが、待っているはずです。

プラタナスの木の下で、ピクニックランチ。
プラタナスの木の下で昼食
美味しい野菜と楽しい会話が、疲れを癒してくれました。