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8月13(土)14(日)の2日、田の草取りをしました。

水田というのは、田植えから稲刈り直前まで水を張っているものと思い込んでいましたが、中干と言うのでしょうか、水を抜くことがあるようです。その水が抜かれた田で、ヒエ、オモダカ、イヌホタルイを素手で取り除きました。恥ずかしながら成果は筋肉痛のみで、田んぼの半分もきれいに出来ませんでしたが。
水を抜いた田んぼ
仕事とは、着地を想定し、投下労力と効率を勘案しながら、この作業は今時間を掛けて100%仕上げるべきか、浅く広く30%の出来で構わないが短時間で切り上げるとするのか決め、その通り遂行することだと思います。この2日、私にはどの程度草を取り除くべきか判断できず、きっちり1枚、仕上げることが出来ませんでした。「少しは頭、使えよ」「仕事、しろよ」次は、何とかしたいですね。
田の草取りをする川口 かがんで 田の草取りをする川口
水が抜かれていても、土というか泥は水を含み、畑とは足の裏の感触が違いました。そこにはカエルがたくさんいて、一足一足、進む度にぴょんぴょんん逃げていきます。目を上げると、トンボが群れていました。

日本の水田は2500年から3000年の歴史を持つとある本で読みましたが、今のような全国的な田園風景となったのは江戸中期で、比較的新しいことのようです。戦国時代までは安定して水の得やすい谷間や山麓などに小さなまとまりとして作られていて、17世紀、江戸時代の平和な世の中に進められた新田開発により、平野部に多くの水田が拓かれたのです。ヒトの利益を優先した急激な自然破壊は様々な問題を内包し、耕作が放棄され80年足らずで原野に戻った水田もあるなど持続可能な社会の実現には至らなかったようですが、収穫時期の異なる多種多様な稲が育てられ(江戸中期までは、普通にジャポニカ米に加えインディカ米も収穫していたようです)、半年から1年水を湛え殺虫剤も農薬も撒かれなかった、武家の狩場でもある水田は、ヒトと多様な生物が共生する水辺として、豊かな生態系を形成していたようです。

持続可能な社会を構築するためのキーワードは「生物多様性」「共生」「循環」だと思いますが、肝は「分配」、即ち、ヒトの取り分をどの程度のものとするか、にあるように思います。

江戸の水田は、より美味しい米を食べたいという消費者の要求と人口増に応えるため、次第に単一種栽培へと移行し、生態系の多様性を欠くようになります。量産指向は肥料の大量投下を招き、虫害を発生させ、土地を疲弊し、購入費用の増加は生産者の経済格差を助長しました。水田の急増は治水等のコスト増となり藩財政を圧迫し、受益者である生産者の負担を増大させ、維持管理不能となるものも出てきました。財源確保のために更に水田を増やそうとする、耕作者と対象地の実態を無視した無理な開発により、山から土砂が流れ川を埋め、川を流れ下って海岸にたまり、飛砂となって近郊の農地を荒らすようにもなりました。あの陸前高田の松などに代表される海岸の松は、この頃植林されたものだそうです。

120%を目指して品種改良し、多収穫だが状況変化に弱い稲を用い、肥料を大量投下することでコストと虫害のリスクを増大させ、その対応として農薬を投与し安全性を低下させるのか、ウンカをカエルに食べて貰いながら、スズメと米を分け合って、米の収量は80%で満足し、藁、糠、籾という付随する田の恵みを100%再利用するようにするのか。更には田に水を引くための土溝や溜池を再生し、ドジョウやフナ、タニシ、ひょっとすると昔は結構いたらしいウナギなどの棲家を提供し、水鳥を呼び、少しく豊かな生態系(ヒトにとって「水田」は、他の生き物からみれば「水辺」である)を意図して創っていくのか。

日本は水の国だと、私は思っています。

水が清らかで美しく、優しくせせらいでいる水辺や良質な伏流水を至る所に持つ国は、世界にそんなに無いんじゃないかと思います。この水資源を最大限生かして、国土全体の生態系を再構築し、例えば分散型の小規模水力発電を多用するなどした、未来志向の持続可能な社会を世界に先駆けて実現させたいと思いませんか。

日本の食料自給率は、2013年度、カロリーベースで39%ですが、米の自給率は96%です。商品として競争力のない米を作り続けることに疑問を持っていましたが、「水田」という視点から米作りを再考し、有事への備えとしてこの水準を維持することを含め、瑞穂の国として私たちの日本をデザインしていくという戦略も無くはないかな、と思い始めました。

田んぼにはカエル
ゴマの花 持って行った米袋に飛び移った田んぼのカエル
隣の畑にはゴマの花
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