
そこにあるものを用いて日々を過ごしていくことを生活の基礎に置いて、地粉とその土地の酵母菌を使ってとても美味しいカンパーニュを手作り窯で焼いている、パン屋さんです。
このパン屋さんに行くと1時間以上長居をして、いろいろと話をして帰ってきます。物を買いに行くというより、話をしに行っていると言った方がよいかもしれません。
買い物の仕方は人それぞれ、またその時その時で異なります。カゴに品物を取っては入れてレジに並んで決済するだけの買い物と、お店の方とじっくり話をして品物を決めていくコミュニケーションを楽しむような買い物と、同じ買い物でも随分と違います。
買うという行為を、金銭を介して物を遣り取りする機械的な行動ではなく、物を通して見えて来る世界を他者と共有する意味的経験とすることが出来るように思います。パンの話から、小麦の話になり、微生物の話になり、そして環境や社会の話になっていきます。
人の暮らしとは、他者とコミュニケーションを取ることではないかと思っています。食事は食べることですが、食卓は食べることを皆で楽しむこと。それが人の暮らしではないかと。

玉ねぎは、多分根付いたと思います。心なしか元気がないようですが、大丈夫でしょう。

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